パドマサンバヴァ(グル・リンポチェ / 蓮華生大士)は、8世紀に雪の国チベットに正法を確立する上で決定的な役割を果たした偉大な密教宗師です。伝承によれば、大師は古ウッディヤーナ国のダナコーシャ湖に咲く千弁の蓮華の中に神変によって化生されたと伝えられます。
チベット国王ティソン・デツェンとシャーンタラクシタ(寂護論師)の招聘に応じて入蔵したグル・リンポチェは、あらゆる魔障を神変によって調伏し、チベット全土を聖化して同国初の三宝道場であるサムエ寺を建立しました。大訳師ヴァイローツァナをはじめとする25大弟子とともに、無数の梵字経論をチベット語へと翻訳しました。
未来の末法時代の衆生のために、蓮華生大士は智慧の仏母イェシェ・ツォギャルとともに、無数の深遠なる埋蔵経(テルマ)をチベット各地に秘匿されました。師は「第二の仏陀」と尊崇され、大円満修行者にとって尽きることのない加持の源泉です。